絵巻を持って中国へ。 [催事]

今、高橋工房では伝統木版画で絵巻を制作しております。

絵巻、というと皆さん鳥獣人物戯画や伴大納言絵巻、源氏物語絵巻等を思い浮かべるでしょう。
私共が只今制作中の絵巻は、平成の絵巻です。
ストーリーはポピュラーな、万人に馴染み深い「マッチ売りの少女」「ピノッキオ」「竹取物語」
を取り上げました。
そして肝心の絵につきましては

マッチ売りの少女を、小杉小次郎先生が。
ピノッキオを、舟越桂先生が。
竹取物語を、堀川えい子先生が描き下ろしてくださいました。

伝統手摺り木版の技法を用い東京と京都の職人十数名が技を競い合い、只今鋭気制作中です。




さて、その絵巻事業の紹介を通じて伝統木版の事を知って頂こうと、高橋工房は中国・西安へ行って参りました。
シルクロードの最果ての地、かつては長安と呼ばれた歴史の都。
都市の造りが京都を彷彿とさせるのです。なぜでしょう。
それは遥か昔に、遣唐使小野妹子が同じ地を踏み、都市構造を持ち帰った為なのです。
他にも、寺社仏閣では法隆寺倉物殿の様な建造物があったり、東大寺の屋根とそっくりな姿形を見たり。
文化交流の跡が色濃く残る街でした。

補正.JPG


こちらが絵巻の展示風景です。
PB202126koskdgyuf.JPG
中国語で書かれたキャプションに心が躍ります。

絵巻のレプリカと、絵巻を収める桐の御箱には皆が足を止めておりましたが、原画と木版で再現した絵を並べて掲げたところ、あまりにも再現が忠実になされていることに皆さん大変驚いていました。「まさか、これが木版画なの!?」と。

PB192016舗清隅.JPG

伝統木版の代表旗手である浮世絵は多くても10版程です。しかし、現代絵画の再現ともなると150色は重ねることになります。重ねれば重ねるほど、画面の色味は奥深いものになりますが同時に紙を150回、絵の具を吸わせて、擦ることになるわけです。紙を何度も濡らしたり乾かしたりを繰り返せば次第にゆがんできて、見当が合わなくなってきます。普通に考えると、これは到底無理と思われる話です。
それを、成し遂げてしまう。これは如何に職人さんの腕が凄いかを物語っています。

その再現をした職人さんと同じ木版画の技法を体験してもらおうと、ワークショップも行いました。



タグ:絵巻
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